結論:家電の電気代は「消費電力(W)÷1000 × 使用時間(h) × 電気の単価」で誰でも計算できます。単価は1kWhあたり31円(税込)(公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価/2022年7月22日改定・2026年6月時点も同額)を使うのが一般的です。
電気代が大きいのは「長時間動かす家電(冷蔵庫・エアコン)」と「熱をつくる家電(電気ストーブ・ドライヤー・電気ケトル・温水洗浄便座など)」。金額の大きい家電から見直すのが節約の近道で、そのうえで電力会社・プランそのものを見直すと、使い方を変えなくても単価が下がります。
「この家電、つけっぱなしだといくらかかるの?」——そんな疑問にこの記事はまとめて答えます。主要家電の電気代の目安、自分で正確に計算する方法、電気代の高い家電の特徴、そして家電別の対策と「単価そのものを下げる」方法まで、2026年の最新基準で解説します。
家電の電気代の計算方法(これだけ覚えればOK)
家電の電気代は、次のシンプルな式で求められます。
電気代 = 消費電力(W) ÷ 1000 × 使用時間(h) × 電気の単価(円/kWh)
「W(ワット)」は家電の本体や取扱説明書、定格ラベルに「定格消費電力」として書かれている数値です。これを1000で割ると「kW(キロワット)」になり、使った時間(h)をかけると「kWh(消費電力量)」が出ます。最後に電気の単価をかければ電気代です。
電気の単価は「31円/kWh」を使うのが基本
計算に使う単価は、公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が定める目安単価 1kWhあたり31円(税込)を使うのが一般的です。これは家電カタログなどで電気代を表示する際に共通で使われる基準で、2022年7月22日に従来の27円から31円へ改定され、2026年6月時点でも同額です。
ただし、これはあくまで「目安」。実際の単価は、契約している電力会社・プラン・地域・燃料費調整額・再エネ賦課金によって変わります。正確に知りたい場合は、検針票や電力会社のマイページに記載された「ご請求額 ÷ 使用量(kWh)」で、あなた自身の実効単価を出すのが最も確実です。
計算してみよう(例)
- 1000Wのドライヤーを1日10分(0.167h)使う場合:1000÷1000 × 0.167 × 31 ≒ 約5.2円/日(1か月で約155円)
- 消費電力60Wのテレビを1日5時間つける場合:60÷1000 × 5 × 31 ≒ 約9.3円/日(1か月で約279円)
このように、ワット数と時間さえ分かれば、どんな家電でも自分で計算できます。以下の一覧は、この式と31円/kWhを使った目安です。
家電別の電気代の目安一覧(2026年)
下表は、主要家電の一般的な消費電力の目安をもとに、31円/kWhで計算した電気代の概算です。消費電力は機種・サイズ・年式・運転モードで大きく変わるため、あくまで「だいたいこのくらい」の参考値として見てください。正確な金額は、お使いの家電の定格消費電力(W)を上の式に当てはめて計算するのが確実です。
| 家電 | 消費電力の目安 | 使い方の目安 | 電気代の目安 |
|---|---|---|---|
| 冷蔵庫 | 常時稼働(年間消費電力量で表示) | 24時間365日 | 年間 約8,000〜12,000円前後(300L級の省エネ機〜大型機で差) |
| 電気ストーブ(ハロゲン・カーボン等) | 約400〜1,200W | 1日5時間 | 1日 約62〜186円(強運転は高め) |
| こたつ | 約100〜300W(強)/ 弱は数十W | 1日5時間 | 1日 約16〜47円 |
| ホットカーペット(2畳相当) | 約400〜600W(強) | 1日5時間 | 1日 約62〜93円 |
| 電気毛布 | 約50〜80W(強) | 1日8時間 | 1日 約12〜20円 |
| ドライヤー | 約1,000〜1,200W | 1日10分 | 1回 約5〜6円 |
| 電気ケトル | 約1,000〜1,300W | 1回約3分 | 1回 約2〜3円(カップ1杯分) |
| 電子レンジ | 約500〜1,400W | 1回5分 | 1回 約2〜4円 |
| 炊飯器 | 炊飯時 約350〜700W/保温時 約15〜35W | 炊飯約50分+保温 | 炊飯1回 約9〜18円(長時間保温は別途) |
| テレビ(液晶) | 約40〜150W(画面サイズで変動) | 1日5時間 | 1日 約6〜23円 |
| 洗濯機(縦型・洗濯のみ) | 約100〜500W(運転で変動) | 1回 | 1回 数円〜(乾燥機能ありは大幅増) |
| 掃除機 | 約400〜1,000W | 1回10分 | 1回 約2〜5円 |
| 食器洗い乾燥機 | 洗浄〜乾燥で機種差大 | 1回 | 1回 約20〜40円前後(乾燥方式で差) |
| 温水洗浄便座 | 約数十W(保温・瞬間式で差) | 24時間 | 月 数百円前後(節電モード有無で差) |
| パソコン(ノート) | 約20〜60W | 1日8時間 | 1日 約5〜15円 |
※消費電力・電気代はいずれも一般的な機種を想定した目安です。実際の数値は機種・サイズ・年式・運転モード・室温・契約単価によって変動します。エアコンの電気代はこの記事ではなく、専用ガイド エアコンの電気代は1時間いくら? で詳しく解説しています。
電気代の高い家電の特徴とトップ層
一覧を見ると、電気代が高くなりやすい家電には共通点があります。
① 熱をつくる家電は単価が高い
電気ストーブ・ドライヤー・電気ケトル・電子レンジ・温水洗浄便座などは、電気を「熱」に変えて使うため消費電力(W)が大きくなります。1回あたりは短時間でも、ワット数が大きいので使う回数や時間が増えると一気に積み上がるのが特徴です。特に冬場の暖房系(電気ストーブ・ホットカーペット)は要注意です。
② 長時間動かす家電は「塵も積もれば」
冷蔵庫のように24時間365日動く家電は、1時間あたりは小さくても、年間で見ると家庭の電力消費の上位を占めます。買い替えで年間消費電力量(kWh)が小さい省エネ機に変えると、長期的な差が大きくなります。
③ 一般家庭で消費電力が大きいのは冷暖房
家庭の電力消費で大きな割合を占めるのは、エアコンなどの冷暖房です。資源エネルギー庁の省エネ情報でも、冬・夏ともに家庭での電力使用は冷暖房・冷蔵庫・照明・給湯まわりに集中するとされています。「どの家電から見直すか」を考えるときは、まず使用時間が長く・ワット数も大きい冷暖房と冷蔵庫から手をつけるのが効率的です。エアコンについては エアコンの電気代の専用記事 を参照してください。
家電別の電気代を安くするコツ
暖房系(電気ストーブ・こたつ・ホットカーペット)
- 「強」運転を続けず、温まったら「弱」に切り替える
- こたつ・ホットカーペットは断熱マットや毛布と併用し、設定温度を下げる
- 部屋全体を電気ストーブで暖めようとせず、「足元・局所」を狙う使い方にする
キッチン家電(電子レンジ・炊飯器・電気ケトル)
- 炊飯器の長時間保温は電気代がかさむため、まとめ炊き+冷凍保存に切り替える
- 電気ケトルは必要な分だけ沸かす(満水で沸かすと無駄が出やすい)
- 下ごしらえに電子レンジを活用し、コンロ加熱の時間を減らす
常時稼働家電(冷蔵庫・温水洗浄便座)
- 冷蔵庫は詰め込みすぎを避け、設定を「強」から季節に応じて調整する
- 壁から少し離して放熱スペースを確保する
- 温水洗浄便座は「節電モード」や「タイマー」を活用し、未使用時間帯の保温を抑える
待機電力も見逃さない
使っていなくてもコンセントにつながっているだけで消費される「待機電力」は、家庭の年間消費電力量のうち数%を占めるとされています。長期間使わない家電はコンセントを抜く・節電タップでまとめてオフにする、といった工夫も効果があります。より体系的な節約方法は 電気代を今すぐ節約する10の方法 にまとめています。
使い方より効果が大きい「単価そのものを下げる」方法
ここまでは「使い方」の節約でしたが、実はもっと手間が少なく効果が続く方法があります。それが、電気の単価(円/kWh)そのものを下げること——つまり電力会社・プランの見直しです。
家電の電気代は「使用量(kWh) × 単価」で決まります。使い方を変えて使用量を5%減らすのは毎日の努力が必要ですが、単価が下がるプランに切り替えれば、使い方を変えなくても、すべての家電の電気代が一律で下がります。電力自由化により、現在はどの地域でも複数の電力会社からプランを選べます。
切り替えで損しないためのチェックポイント
- 基本料金・従量料金の単価を今のプランと比較する(地の文の「安い」だけで判断しない)
- 燃料費調整額・再エネ賦課金は会社を変えても基本的にかかる費用。比較は「総額」で行う
- 解約金・違約金の有無を確認する(解約金なしの電力会社一覧も参考に)
- オール電化住宅は専用プランで比較する(オール電化向け電力会社の比較)
「自分の場合いくら変わるのか」を先に知りたい方は、電気代節約シミュレーターでおおよその試算ができます。実際の切り替え手順は 電力会社の切り替え方法 にまとめています。なお、料金・キャンペーン・割引条件は改定されることがあるため、申し込み前に各社の公式サイトで最新の料金を必ずご確認ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 家電の電気代を一番正確に計算する方法は?
家電の定格消費電力(W)を取扱説明書や本体ラベルで確認し、「W÷1000×使用時間(h)×単価」で計算します。単価は目安の31円/kWhでも構いませんが、より正確には検針票の「請求額÷使用量(kWh)」であなた自身の実効単価を使うと精度が上がります。
Q2. つけっぱなしと、こまめにオン・オフ、どちらが得ですか?
家電によって異なります。電源を入れた瞬間に大きな電力を使う家電(一部の暖房・エアコンなど)は、短時間の外出ならつけっぱなしの方が得な場合があります。一方、テレビ・照明など起動電力が小さい家電は、こまめに消した方が得です。エアコンの「つけっぱなしの損得」は 専用記事 で詳しく解説しています。
Q3. 古い家電は電気代が高いですか?
一般的に、冷蔵庫やエアコンなどは省エネ性能が年々向上しているため、10年以上前の機種は最新の省エネ機より年間消費電力量(kWh)が大きい傾向があります。買い替えコストと節約額を比べ、長期的に元が取れるかで判断するとよいでしょう。具体的な省エネ性能は、資源エネルギー庁の省エネ性能カタログや各メーカーの仕様で確認できます。
Q4. 契約アンペアを下げると家電の電気代も安くなりますか?
契約アンペアを下げると「基本料金」が安くなりますが、家電1つ1つの「使った分の電気代(従量料金)」は変わりません。同時に使う家電が少ない世帯は、アンペアを適正化すると固定費が下がります。詳しくは 契約アンペアの選び方 をご覧ください。
Q5. 電気代が急に上がったのですが、家電のせいですか?
季節(冷暖房の使用増)が主因のことが多いですが、燃料費調整額や再エネ賦課金などの単価要因で上がっているケースもあります。家電の使い方を変えていないのに上がった場合は、単価側の要因を疑いましょう。背景は 電気代が高い理由【2026年最新】 で解説しています。
まとめ
- 家電の電気代は「W÷1000×使用時間×単価」で計算でき、単価は目安31円/kWh(税込)を使う
- 正確に知りたいなら、検針票の「請求額÷使用量」で自分の実効単価を出すのが確実
- 電気代が大きいのは「長時間動く家電(冷蔵庫・冷暖房)」と「熱をつくる家電(電気ストーブ・ドライヤー等)」
- 使い方の節約に加えて、電力会社・プランの見直しで単価そのものを下げると効果が続く
- 料金・割引は改定されるため、切り替え前に各社公式で最新の料金を確認する
まずは 電気代節約シミュレーター で、あなたの家庭がどれくらい安くなるかを試算してみてください。
出典:公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会「よくある質問」(目安単価31円/kWh・2022年7月22日改定)、資源エネルギー庁 省エネポータルサイト。消費電力・電気代は一般的な機種を想定した目安であり、実際の数値は機種・使用条件・契約内容により異なります。
