引っ越しが決まったら、忘れずに進めたいのが電気の手続きです。「いつまでに連絡すればいい?」「立ち会いは必要?」「新居の電力会社はどう選ぶ?」——本ページでは、旧居の使用停止から新居の使用開始までの流れを、資源エネルギー庁などの公的情報をもとにステップで整理します。あわせて、引っ越しは電力会社を見直す絶好のタイミングでもあるため、損をしない会社選びのポイントまで解説します。
結論:引っ越しの電気手続きは「旧居の停止」と「新居の開始」をそれぞれ1週間前までに。新居の会社選びで電気代に差がつく
引っ越しの電気手続きは、(1)旧居の使用停止と(2)新居の使用開始の2つを、それぞれ引っ越しの1週間前まで(遅くとも3営業日前まで)に申し込むのが基本です。手続きは電話のほか、各電力会社のWebサイトから24時間申し込めます。スマートメーターが設置されている住居なら、使用開始・停止に原則として立ち会いは不要です(資源エネルギー庁)。
そして見落としがちなのが、新居でどの電力会社・プランを契約するか。引っ越しを機に、不動産会社経由のプランや地域の大手電力(従量電灯)のまま契約するのではなく、自分の使い方に合う会社を選び直すと、毎月の電気代を抑えられる可能性があります。引っ越しは違約金や工事の心配なく契約を見直せる数少ないチャンスです。具体的な選び方は後半で解説します(料金・キャンペーンは変動するため、最新額は各社公式・比較ランキングで確認してください)。
1. 引っ越しの電気手続きはいつまで?スケジュールの目安
電気の手続きは「早すぎて困る」ことはほとんどありません。引っ越しが決まったら、住所と入居・退去日が固まり次第、早めに動くのが安全です。
| タイミング | やること |
|---|---|
| 引っ越しの1〜2週間前 | 旧居の使用停止・新居の使用開始をまとめて申し込む(推奨) |
| 遅くとも3営業日前まで | 停止・開始の連絡を必ず済ませる |
| 引っ越し当日 | 退去時に電気を止める/新居でブレーカーを入れて通電を確認 |
とくに引っ越しが集中する3月・4月・9月は申し込みが混み合い、電話がつながりにくくなります。この時期はWeb申し込みを使い、1〜2週間前には手続きを終えておくと安心です。手続きが遅れると、入居当日に電気が使えない・退去後も基本料金を請求される、といったトラブルにつながります。
2. 旧居の電気を止める手続き(使用停止)
まずは今住んでいる家の電気を止める手続きです。退去日に合わせて「使用停止日」を指定します。
手続きの方法と必要なもの
- 連絡先:現在契約している電力会社(電話またはWebサイト)。新電力に切り替え済みの人は、大手電力ではなく契約中の会社へ連絡します。
- 必要な情報:検針票や会員ページに記載の「お客さま番号」、現住所、退去日(使用停止日)、引っ越し先の連絡先など。最終料金の精算方法(口座振替・クレジットなど)も確認されます。
使用停止のときの注意点
- 停止日を当日(退去日)に設定する:早すぎると退去前に電気が使えず、遅すぎると無人の家の基本料金を払うことになります。
- オートロックや管理人立ち会いが必要な物件では、メーターの場所によって立ち会いを求められる場合があります。スマートメーター設置済みなら遠隔で停止できるため、原則立ち会いは不要です(不明な場合は契約中の電力会社に確認)。
- 最終月の料金精算:日割りで計算され、後日請求または精算されます。引っ越し先の住所を伝えておくと請求書を受け取れます。
同じ電力会社のエリア内で引っ越す場合は、「使用停止」と「使用開始」をまとめて1回で申し込めることもあります。
3. 新居の電気を使い始める手続き(使用開始)
続いて、引っ越し先で電気を使えるようにする手続きです。新居でどの電力会社と契約するかは自由に選べます。
手続きの方法と必要なもの
- 連絡先:新居で契約したい電力会社(電話またはWebサイト)。後述のとおり、ここで会社を選び直すのがおすすめです。
- 必要な情報:新居の住所、使用開始日、名義、連絡先、支払い方法など。会社によっては新居の「供給地点特定番号」を求められる場合があり、これは新居の検針票や物件資料、または電力会社で確認できます。
立ち会い・通電の確認
使用開始に立ち会いは原則不要です。スマートメーターが設置されている住居では、電力会社が遠隔で通電操作を行います。従来型メーターの住居では、分電盤(ブレーカー)のスイッチを入れることで電気が使えるようになります。一般的には「アンペアブレーカー → 漏電遮断器 → 配線用遮断器」の順につまみを「入」にします(資源エネルギー庁)。入居して電気がつかないときは、まずブレーカーが入っているか、使用開始日を正しく申し込めているかを確認しましょう。
4. スマートメーター・切り替えにかかる期間と費用
新居で大手電力以外の新電力に切り替える場合、メーターの状況によって所要期間が変わります。資源エネルギー庁は、切り替えに必要な標準的な期間の目安を次のように案内しています。
| メーターの状況 | 切り替えにかかる期間の目安 |
|---|---|
| スマートメーターが設置済み | おおむね4日程度 |
| スマートメーターへの交換が必要 | おおむね2週間程度 |
スマートメーターへの交換は原則として費用はかかりません。ただし交換に伴う工事で費用がかかる場合や、交換時に短時間(目安として1軒あたり約15分)の停電が伴う場合があります(資源エネルギー庁)。期間に余裕がない引っ越しでは、すでにスマートメーターが付いている物件かどうかで段取りが変わるため、早めに申し込むほど安心です。
5. 引っ越しは電力会社を見直す絶好のタイミング
引っ越しは、現在の契約をいったんリセットして好きな電力会社を選び直せる機会です。多くの人が不動産会社の案内や地域の大手電力(従量電灯)のまま契約してしまいますが、使い方に合うプランを選べば電気代を抑えられる可能性があります。新生活のスタートで一度設定しておけば、その後ずっと効果が続くのが大きなメリットです。
基準1:基本料金の有無と従量単価
大手電力の従量電灯は「使うほど単価が上がる三段階」が一般的です。新電力には基本料金が0円のプランや、段階制をなくして単価を一律にしたプランもあります。使用量が少ない一人暮らしは基本料金0円型が有利になりやすく、使用量が多いファミリーは従量単価の安いプランが効きやすい傾向です。新居の想定使用量で両方を比較しましょう。
基準2:契約アンペア(基本料金に直結)
多くの大手電力では、契約アンペアが大きいほど基本料金が高くなります。新居の広さや家電の同時使用を考えて、必要以上に大きいアンペアにしないことが基本料金の節約につながります。逆に小さすぎるとブレーカーが落ちやすくなるため、「ふだん同時に何を使うか」で決めるのがコツです。
基準3:ポイント・セット割・キャンペーン
電気料金に応じてポイントが貯まる、通信やガスとセットで割引になる、新規申し込みでキャンペーンがある——といった付加価値も実質的な節約になります。ふだん使っているポイント経済圏や通信キャリアと合わせると効果が高まります(キャンペーンの内容・適用条件は時期により変わるため、申し込み前に公式で必ず確認してください)。
基準4:供給エリアと解約条件
新電力は会社ごとに供給エリアが異なります。まず新居の地域で契約できるかを確認しましょう。あわせて、転勤などで再び住み替える可能性がある人は解約金(違約金)の有無もチェックしておくと安心です。短期間での住み替えが想定されるなら、解約金のない会社を選ぶと身軽に乗り換えられます。
6. 引っ越し前後でやることチェックリスト
電気以外のライフラインや手続きも合わせて整理しておくと、抜け漏れを防げます。
- 旧居の電気の使用停止を申し込んだ(停止日=退去日)
- 新居の電気の使用開始を申し込んだ(開始日=入居日)
- 新居で契約する電力会社・プランを比較して決めた
- ガス・水道・インターネットの手続きも済ませた(ガスは開栓に立ち会いが必要なことが多いので注意)
- 入居当日にブレーカーを入れ、通電を確認した
引っ越し後に電気代が思ったより高いと感じたら、原因の整理から始めましょう。電気代が高騰する原因とは?や電気代を今すぐ節約する10の方法もあわせて参考にしてください。
補足:供給地点特定番号とは(22桁・調べ方)
供給地点特定番号は、電気の供給場所ごとに割り振られた22桁の番号です。新居で電気の使用開始を申し込む際や、別の電力会社へ切り替える際に必要になります。確認方法は次のとおりです。
- 検針票・電気料金の明細に記載されている(紙・Web会員ページのいずれか)
- 現在契約している電力会社に電話・問い合わせフォームで確認する
- 新居の場合は、室内に投函された案内や、前の入居者の検針票が残っていれば記載されていることがある
番号が分からなくても住所などから手続きできるケースが多いため、確認できない場合はまず契約先の電力会社へ相談すると確実です。
Q. 電気の手続きや立ち会いは、本人でなくても(家族や代理人でも)できますか?
使用停止・使用開始の申し込みは、契約者本人でなくても家族など代理の方が手続きできることが一般的です。立ち会いが必要な物件(オートロックやメーターが屋内にある場合など)でも、大家さん・管理人・同居の家族といった代理の方の立ち会いで対応できるケースがあります。ただし会社によって必要な確認事項(契約者名・お客さま番号など)や可否の扱いが異なるため、代理で進める場合は事前に電力会社へ伝えておくとスムーズです。
Q. 電気の申し込みや使用開始は、土日・祝日でも対応してもらえますか?
Webからの申し込みは24時間・土日祝も受付しているのが一般的です。スマートメーターが設置済みの新居であれば、事前に使用開始の申し込みを済ませておくことで、土日祝の引っ越しでもブレーカーを入れればそのまま電気を使える場合が多くあります。一方で、立ち会いが必要な物件や、電話のみ受付の手続きは、土日祝は受付時間が限られたり翌営業日扱いになることがあるため、引っ越し日が土日祝にかかる場合は早めの申し込みが安心です。
7. よくある質問(FAQ)
Q. 引っ越しの電気手続きはいつまでにすればいい?
旧居の使用停止・新居の使用開始のどちらも、引っ越しの1週間前まで(遅くとも3営業日前まで)に申し込むのが目安です。引っ越しが集中する3月・4月・9月は混み合うため、Webから1〜2週間前に済ませておくと確実です。
Q. 電気の使用開始・停止に立ち会いは必要?
スマートメーターが設置されている住居では、電力会社が遠隔で操作するため原則立ち会いは不要です(資源エネルギー庁)。従来型メーターの住居では、入居後に分電盤のブレーカーを入れれば電気が使えます。物件によっては立ち会いを求められる場合があるため、不明なときは電力会社に確認しましょう。
Q. 引っ越し当日に申し込んでも電気は使える?
会社や時期によっては当日・前日でも対応してもらえることがありますが、確実ではありません。手続きが間に合わないと当日に電気が使えない恐れがあるため、余裕をもって事前に申し込むことを強くおすすめします。
Q. 引っ越し先で電力会社を変えると工事や費用はかかる?
すでにスマートメーターが設置されていれば、切り替えは原則工事不要・約4日程度です。スマートメーターへの交換が必要な場合でも交換費用は原則かかりませんが、工事に伴い短時間の停電が生じることがあります。期間はおおむね2週間程度が目安です(資源エネルギー庁)。
Q. 新居の電力会社はどう選べばいい?
「基本料金の有無・従量単価」「契約アンペア」「ポイント・セット割」「供給エリアと解約条件」の4点で比較するのが基本です。具体的な会社・プランは電力会社おすすめランキングで、解約金で選びたい人は解約金なし電力会社 完全一覧で比較できます。
Q. 手続きや契約でトラブルがあったときの相談先は?
電力小売の契約に関する苦情・相談は、国の機関である電力・ガス取引監視等委員会の相談窓口(03-3501-5725/平日9:30〜18:15)でも受け付けています。まずは契約した電力会社に問い合わせ、解決しない場合の公的な相談先として覚えておくとよいでしょう。
まとめ:手続きは1週間前まで、新居の会社選びで差をつける
引っ越しの電気手続きは、旧居の使用停止と新居の使用開始をそれぞれ1週間前まで(遅くとも3営業日前まで)に申し込むのが基本です。スマートメーター設置済みなら立ち会いは原則不要で、切り替えも約4日程度とスムーズです。そして引っ越しは、契約を見直して電気代を抑える絶好のタイミング。基本料金・従量単価・アンペア・解約条件を比較し、自分の使い方に合う会社を選びましょう。電力会社の切り替え自体の流れは電力会社の切り替え方法を徹底解説でも確認できます。
※本記事の手続き期間・スマートメーターの工事や停電の目安は資源エネルギー庁「電力小売全面自由化」の公表情報、再エネ賦課金(2026年度4.18円/kWh)は経済産業省の公表値、相談窓口は電力・ガス取引監視等委員会の公表情報に基づきます。各電力会社の料金・基本料金・キャンペーン・供給エリア・解約条件、および手続きの詳細は変更される場合があるため、契約前に各社公式サイト・公的機関の最新情報をご確認ください。
