JEPX市況 / 月次解説 2026年7月号(6月の市況) / 2026.08.05 公開

電気の「仕入れ値」、東京と四国で2.5倍の差 — 2026年6月のJEPX市況総括

電力会社が電気を仕入れる卸市場(JEPX)には、エリアごとの値段があります。2026年6月、その「仕入れ値」は東京 20.01円/kWh に対して四国 7.88円/kWh と、約2.5倍の開きがありました。同じ電気なのに、なぜここまで違うのか。市場連動型プランの家庭にどう関係するのかを整理します。

この記事でわかること
  • 6月の仕入れ値のエリア別水準と、5月からの変化
  • 西日本が安く、東日本が高い「東高西低」の理由
  • 市場連動プランの家庭・検討中の家庭が知っておくべきこと

6月の市況総括: 「東高西低」がくっきり

6月の月平均は、東京・中部が17〜20円台に上がる一方、中国・四国・九州は8〜11円台と安値のまま。東日本の上昇と西日本の安値が対照的な「東高西低」の月でした。

北海道+0.86東北+0.91東京+2.00中部+1.69北陸+0.00関西−0.06中国−0.97四国+0.31九州+0.54← 安くなった | 高くなった →(円/kWh・税抜・5月→6月
エリア5月平均6月平均変化
北海道13.6514.51+0.86
東北14.3815.29+0.91
東京18.0120.01+2.00
中部16.2317.92+1.69
北陸13.9413.94+0.00
関西13.9413.88-0.06
中国11.7610.79-0.97
四国7.577.88+0.31
九州9.4810.02+0.54

単位: 円/kWh(税抜・スポット市場エリアプライスの月平均)。日本卸電力取引所(JEPX)スポット市場データをもとに当社集計。

なぜ西日本はこんなに安いの?

カギは太陽光発電です。九州・中国・四国は太陽光の導入量が需要に対して大きく、日射に恵まれる春〜初夏は昼間の電気が余り気味になります。電気は貯めにくいため、余った時間帯の市場価格は大きく下がり、月平均も押し下げられます。

一方の東京エリアは需要が大きく、6月は気温上昇で冷房需要も立ち上がってくる時期。仕入れ値は20円台に乗り、全国で最も高い水準でした。「どこに住んでいるか」で市場連動プランの有利・不利が大きく変わる——6月はそれが最もはっきり出た月と言えます。

市場連動プランの家庭にはどう関係する?

  • 西日本(中国・四国・九州)の家庭 — 6月の安い仕入れ値は、プランの方式に応じて7月または8月の請求に反映されます。市場連動プランの強みが最も出る局面でした。
  • 東京エリアの家庭 — 仕入れ値20円台は決して安くありません。市場連動プランと固定単価プランの差が縮まりやすい水準です。
  • 乗り換え検討中の家庭 — 「6月が安かったから市場連動はおトク」と即断するのは危険です。夏本番は冷房需要で市場が上がりやすく、安い月と高い月の振れ幅を年間でならして比較するのが鉄則です(エリア別ランキング)。

【追記】この後、7月に状況は一変しました

本号で「安い」と紹介した西日本の仕入れ値は、7月に入って一転、+5円/kWh超の急騰となりました。夏の市場連動プランのリスクが現実になった形です。詳しくは2026年8月号をご覧ください。

※ 本号は2026年8月5日に、6月の確定データをもとにアーカイブとして作成したものです。

出典: 日本卸電力取引所(JEPX)スポット市場データをもとに当社集計。掲載の試算・見立ては2026年8月5日時点の情報によります。