電気の「仕入れ値」、東京と四国で2.5倍の差 — 2026年6月のJEPX市況総括
電力会社が電気を仕入れる卸市場(JEPX)には、エリアごとの値段があります。2026年6月、その「仕入れ値」は東京 20.01円/kWh に対して四国 7.88円/kWh と、約2.5倍の開きがありました。同じ電気なのに、なぜここまで違うのか。市場連動型プランの家庭にどう関係するのかを整理します。
この記事でわかること
- 6月の仕入れ値のエリア別水準と、5月からの変化
- 西日本が安く、東日本が高い「東高西低」の理由
- 市場連動プランの家庭・検討中の家庭が知っておくべきこと
6月の市況総括: 「東高西低」がくっきり
6月の月平均は、東京・中部が17〜20円台に上がる一方、中国・四国・九州は8〜11円台と安値のまま。東日本の上昇と西日本の安値が対照的な「東高西低」の月でした。
| エリア | 5月平均 | 6月平均 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 北海道 | 13.65 | 14.51 | +0.86 |
| 東北 | 14.38 | 15.29 | +0.91 |
| 東京 | 18.01 | 20.01 | +2.00 |
| 中部 | 16.23 | 17.92 | +1.69 |
| 北陸 | 13.94 | 13.94 | +0.00 |
| 関西 | 13.94 | 13.88 | -0.06 |
| 中国 | 11.76 | 10.79 | -0.97 |
| 四国 | 7.57 | 7.88 | +0.31 |
| 九州 | 9.48 | 10.02 | +0.54 |
単位: 円/kWh(税抜・スポット市場エリアプライスの月平均)。日本卸電力取引所(JEPX)スポット市場データをもとに当社集計。
なぜ西日本はこんなに安いの?
カギは太陽光発電です。九州・中国・四国は太陽光の導入量が需要に対して大きく、日射に恵まれる春〜初夏は昼間の電気が余り気味になります。電気は貯めにくいため、余った時間帯の市場価格は大きく下がり、月平均も押し下げられます。
一方の東京エリアは需要が大きく、6月は気温上昇で冷房需要も立ち上がってくる時期。仕入れ値は20円台に乗り、全国で最も高い水準でした。「どこに住んでいるか」で市場連動プランの有利・不利が大きく変わる——6月はそれが最もはっきり出た月と言えます。
市場連動プランの家庭にはどう関係する?
- 西日本(中国・四国・九州)の家庭 — 6月の安い仕入れ値は、プランの方式に応じて7月または8月の請求に反映されます。市場連動プランの強みが最も出る局面でした。
- 東京エリアの家庭 — 仕入れ値20円台は決して安くありません。市場連動プランと固定単価プランの差が縮まりやすい水準です。
- 乗り換え検討中の家庭 — 「6月が安かったから市場連動はおトク」と即断するのは危険です。夏本番は冷房需要で市場が上がりやすく、安い月と高い月の振れ幅を年間でならして比較するのが鉄則です(エリア別ランキング)。
【追記】この後、7月に状況は一変しました
本号で「安い」と紹介した西日本の仕入れ値は、7月に入って一転、+5円/kWh超の急騰となりました。夏の市場連動プランのリスクが現実になった形です。詳しくは2026年8月号をご覧ください。
※ 本号は2026年8月5日に、6月の確定データをもとにアーカイブとして作成したものです。